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松原秀明の「音楽よもやま話」(毎月更新)

聞かせたい歌 その4〜松原秀明「父と母の唄」

目を閉じれば今も思い出す、幼い頃の僕を背負った父の背中
雨降る日にもサバニに乗り行き、風吹く日には家族の盾となり
夏の陽射しにも弱音を吐かず
真っ黒に焼けた顔がダイヤのように輝く

いつ、いつまでも我が故郷に父あり

坂の途中で僕の手を引いて、楽しく語らう若き頃の母の姿
くじける時はやさしく語り、おごれる時は笑って諭す
いつも大きな笑顔と愛とで、僕らの心を暖めてくれた母よ

いつ、いつまでも我が故郷に母あり

(宮古島方言)
天にいらっしゃる神様よ、本当にこの世の中に存在するのであれば、
私達の父と母に喜び事を一杯与えて下さい。

祝いの席は二人で喜び、自分たちの幸せを僕らに分けてくれる
やがて年を取り遠くで暮らしても、
想いは海を越え今も僕らを包むよ
電話の声がいつも心を揺さぶるよ
僕らの未来をいつまでも祈ってくれ

いつ、いつまでも我が故郷に父あり
いつ、いつまでも我が故郷に母あり


母親の思いではたくさんあるが、父親の思いでは割と少ないというのが一般的だと思う。
ある日父親の一番古い想い出(記憶)はいつ頃だろうと振り返ってみた。
今では宮古島観光の大きな起爆剤となっている「宮古祭り」という夏の風物詩がある。

その前身はそんなに大きなお祭りではなかった。
夜には平良市内の大きな2つの通りをメインとした、夜店で賑わう。
小さかった私にある夜父親が、「市内へ遊びに行こう」といって夜店へ連れて行ってくれた。
お祭りがあることさへも知らない私は、父親の言葉に喜んで夜店へ行った。
夜なのにお店が一杯開いていて、初めて体験する世界だった。
嬉しくて嬉しくて大分はしゃいだと思う。
歩きつかれた様子を感じたのだろう、父親が「おんぶするか?」と聞いてきた。
びっくりして「うん」と答え父親におんぶされた
その時の背中の広さは実はよく憶えていない。
しかしおんぶしてくれたという事だけが記憶として、鮮明に残っているのだ。

家の近くにある公民館の目で、近所の母親達が良く集まって話して遊んでいた。
沖縄が復帰する前小さな私は暑い中、母親に手を引いてもらいアイスケーキ(アイスキャンディー)を公民館の前で食べていた記憶がある。
しっかり者の母親はとても聡明で親戚中からも信頼は厚かったと思う。

親というものは子供を持った時点で、自分達の幸せや不幸は全て子供に決定付けられると思う。
どんなにお金持ちでも子供に問題があれば、いくつになっても幸せとはいえない。
どんなに生活が苦しくても、子供が健康で笑い顔を見せてくれれば親にとってこんな幸せな事はない。
親という人達はつくづく大変な人達である。

自分に子供が出来て、初めてその顔を見たとき五体満足に生まれてきた安堵感と共に、生まれたばかりの自分にこの同じ想いで両親が同じような視線を、注いでいたのかと思うととても感動して、そして感謝した。

いくつになっても子供の頃と同じような話し掛けをしてくる両親。
その想いは遠く宮古島から海を越えて私たち兄弟を優しく包んでくれる。
いついつまでも元気で子供達の幸せを祈っていてください。

この歌を敬愛なる父と母に感謝を込めて捧げます。